老年医学領域と老年腫瘍学領域で異なる意味を持つ用語。
<老年医学の領域>
Frailtyと同義
<老年腫瘍学の領域>
ベストサポーティブケアの適応となる患者
- 筆者注:一般的に、老年医学の領域では、“Frail”は“Frailty”(またはフレイル)と同じ意味で、健康な状態と要介護状態の中間に位置すると考えられています。一方、老年腫瘍学の領域では、全身状態の良い方から順番でfit, vulnerable, frailとすることが多いようです(“fit”は、積極的ながん治療の恩恵を受けられるような全身状態の良い患者、“frail”はベストサポーティブケアの適応となるような全身状態の悪い患者、“vulnerable”は、その中間に位置するとされている)。つまり、同じ“Frail”という用語を使っていても、老年医学では「健康な状態と要介護状態の中間」、老年腫瘍学では「一番状態の悪い患者」を指すことが多いので、理解するのが難しいのだと思います(老年腫瘍学では、中間の状態をvulnerable(ヴァルナラブル)と呼んでいることが多いです)。
参考文献
- Balducci L, Extermann M. Management of cancer in the older person: a practical approach. The oncologist. 2000;5(3):224-37.
- Balducci L. Geriatric oncology. Crit Rev Oncol Hematol. 2003;46(3):211-20.
- A G Pallis et.al. EORTC elderly task force position paper: Approach to the older cancer patient. Eur J Cancer. 2010 Jun;46(9):1502-13.