《「用語集」&「提言・見解」にGAとCGAを追加いたしました》
高齢者機能評価と高齢者総合機能評価の違いは分かりづらいです。
最近は高齢者機能評価+老年医学的介入という用語も増え理解が大変だと思います。
そこで、老年科医の先生方を中心として、これらの説明を用語集に追加いたしました。
さらに、それぞれの違いについて解説した「提言・見解」も追加いたしました。
【用語集】
【提言】
《論文紹介》
【全般】
Financial Toxicity in Older Adults With Cancer and Their Caregivers
がんを患う高齢者の経済毒性に関する論文です。
経済毒性を、「患者と介護者」、「客観的と主観的」にわけ、それぞれ分析するという手法が紹介されています。
日本の医療システムは欧米のそれとは異なりますが、日本独自の経済毒性の議論を深めるために有用と思います。
雑誌名:JCO Oncology Practice Volume 21, Number 1
PMID: 39793550
DOI: 10.1200/OP.24.00105
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【老年医学】
The recombinant shingles vaccine is associated with lower risk of dementia
帯状疱疹ワクチンが認知症のリスクを下げるという論文です。
遺伝子組み換えワクチンとしてのシングリックスと従来のワクチンで比較したところ、6年以内での認知症の診断が17%低かったという報告でした。
インフルエンザやDPTなどのワクチンと比較しても、帯状疱疹ワクチン(シングリックス)の方が、それぞれ23%、28%ほど認知症の発症が低かったようです。
癌との直接的な関係ではありませんが、いずれにしても、日本の定期接種が4月から高齢者癌の方の認知症の予防の可能性?もあるかもしれません。
雑誌名:Nat Med. 2024 Oct;30(10)
PMID: 39053634
DOI: 10.1038/s41591-024-03201-5
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【肺癌】
Targeted therapy for older patients with an oncogene driven non-small cell lung cancer: Recommendations from a SIOG expert group
肺癌を有する高齢者に対する分子標的薬に関するレビュー論文です。
国際老年腫瘍学会(SIOG)が公表している論文であり、各種遺伝子変異を有する高齢者への有効性、安全性、使用上の注意などがまとまっています。
個人的には、Met変異は高齢者に多いこと、PPIとTKIを併用すると吸収が悪くなることなどを改めて確認できたのが良かったです。
※ まだPubMedへの掲載はございません
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《書籍紹介》
JGOS世話人代表の小川朝生先生が患者さん向けの書籍を発刊しました!
こういったところから老年腫瘍学の考え方を広めるのも良いかなと思いました。
■ タイトル: 75歳からのがん治療 「決める」ために知っておきたいこと
■ 出版社 : 講談社
■ 発売日 : 2024/12/12
■ 言 語 : 日本語
■ 単行本 : 100ページ
■ ISBN-10: 4065374103
■ ISBN-13: 978-4065374108
詳細は下記をご覧ください。